飯田園とは

茨城県猿島郡境町にて江戸時代より、初夏の肥料やり、除草作業、春・秋の茶摘みと毎年自然と共に八代に渡り受け継ぎ、生産者の顔が見える丹誠込めたお茶作りを続けております。

さしま茶の歴史

江戸時代から始まったとされる"さしま茶"の栽培。当初は「日乾法」といわれる技術で作られていましたが、地元の豪農・中山元成が京都宇治から製茶師を招いて「焙炉ほいろ法」を学び、品質改良を行ったことで、江戸の街で人気のお茶に成長しました。
1853年、ペリー来航をきっかけに開国通商に反対する声が多かった中、中山元成は海外市場に注目。下田のアメリカ総領事ハリスを訪ね、さしま茶の売り込みに成功しました。
1859年、日米修好通商条約発効と同時に、全国に先駆け海外輸出された"元祖グリーンティー"となりました。
現在も向上・発展の試みは続き、「さしま茶手揉み保存会」を発足。機械ではない伝統の茶揉み技術伝承にも力を入れています。

八代目 飯田耕平

地元茨城の高校を卒業後、静岡県島田市(旧金谷町)にある国立研究機関農研機構の野菜茶業研究所で2年間学び、研修中に日本茶インストラクターと手揉みの教師補の資格を取得。卒業後は、静岡に残り茶問屋や製茶機械メーカーなどで修行した後、稼業を継ぐ。
全国手もみ製茶技術競技大会において平成23年・27年に2度の最優秀賞を受賞。
主な資格・受賞歴
2011年 全国手揉み製茶技術競技大会 最優秀賞受賞(日本一)
2015年 全国手揉み製茶技術競技大会 最優秀賞受賞(日本一)
2016年 全国手揉み製茶技術競技大会 優秀賞受賞(2位)
2019年 全国茶審査技術競技会(利き茶)5段位取得
2022年 全国手揉み製茶技術競技大会 優良賞受賞(3位)
2021年 いばらきデザインセレクション(製品工芸部門)知事選定
飯田耕平
手揉み茶
飯田耕平の手により長時間丹誠込めて揉まれた茶葉は、細長い松葉のような形をしています。
お湯を注ぐことにより茶葉は「一芯ニ葉」に摘まれた当時の若葉の形へ時間を戻し、
急須の中で再び芽吹きます。色は透き通った金色。
甘みと旨味の余韻をお楽しみください。
【原発事故の影響と現状】
2011年の原発事故の影響で茨城県のお茶は出荷制限を受けました。飯田園では、それを受けて茶葉をすべてを刈り落とし、枝だけにする作業(中切り)を行い放射性物質低減につとめました。茶葉をすべて刈り落としたおかげで、さしま茶は2011年10月の秋冬番茶で出荷制限を解除することができました。以後、一番茶・二番茶・秋冬番茶・春番茶の各茶期に県のモニタリング検査を受けています。2013年度の調査以降、放射性セシウムは検出されておりません。